事例と対策
○ 年金ではなく、退職金として支払いたい。
転退職する社員へのこれまでの功労金として、退職時に一時金として支給したいという経営者の場合です。
転職に違和感を持たない30歳代、20歳代の社員に対して、「年金」として準備し、退職時にその権利を手渡すということは、確かに労使双方にとって実感のわかないことでもあります。このようなケースも想定すると、支給方法が多様な制度を導入することが得策です。
たとえば、中小企業退職金共済制度はその支払いに際し、一時払いと分割払いを選択できることになっています。このため、一時払いを選択して退職一時金として支給することをお勧めします。分割払いは年金として支給することができますが、60歳以上の退職時とされています。ただ、転職先の企業が同じ制度を導入していれば、それまでの積み立て分を引き継ぐこともできるので、若年層でも既婚者などで一時金を望まない場合、この柔軟性を生かすことができます。
○ 必要となる金額がわからない。
開始にあたって必要となる金額がわからず、導入を先送りにしている経営者の場合です。
中小企業退職金共済制度の場合、社員一人あたり月額5,000円(上限3万円)から始めることができます。また、同制度は国がサポートしているものですので、新規加入時の場合は掛金の2分の1(上限5,000円)の助成を1年間受けることができます。
この制度だけで準備する必要はなく、生命保険などとの組み合わせによるより柔軟な制度導入が効果的です。なお、制度導入に際し、退職金規程を作成して支給ルールを確立することが望まれます。