事例と対策
○ パート労働者が退職金を請求してきた。
正社員のほか、アルバイトやパートの方を雇用している会社で既に就業規則を定めている場合でも、規則適用者の明確な文言がないときはトラブルが発生することがあります。これは、正社員のみをイメージした就業規則だったため、アルバイトやパートからの請求にも応じる必要が生じた例です。
就業規則は誰を対象に作成したものなのか、明確にする必要があります。別途、アルバイト・パート用の就業規則を作成することも対策となります。
○ 退職者が賞与の支払いを請求してきた。
賞与支給日に既に退職していた社員が、賞与支払期間に在籍していたという、いわゆる既得権から受給資格を主張し、トラブルとなるケースです。
そもそも、賞与の支給要件は会社独自で決定することができます。就業規則に「支給日当日に在籍していたものに支給する」という文言を入れ、支給要件を明確にすることでトラブルを回避できます。
□就業規則でおきがちなトラブルとそのリスクヘッジ文例(退職編)
トラブル例
突然引継ぎも行わずに会社を辞めた従業員が、後から退職金の請
求をしてきたが全額支払わざるを得なかった。
□一般的な文例□
(退 職 手 続)
従業員が自己の都合により退職しようとするときは、原則として1ヶ月前までに退
職届を提出しなければならない。
■リスクヘッジのための文例■
(退職手続及び退職・解雇者の業務引継ぎ)
(1)従業員が自己の都合により退職しようとするときは、原則として1ヶ月前までに退
職届を提出しなければならない。
(2)退職届を提出した人であっても、会社の承認があるまでは従前の業務に
服さなければならない。
(3)従業員が、退職届を提出し、または解雇(懲戒解雇による即日解雇を除く)
されたときは、退職日より遡って2週間以上は現実に勤務し、会社が指定した人に
退職日までに完全に業務の引継ぎをしなければならない。ただし、会社が不要と
認めたときはこの限りではない。
(4)本条に定める手続きを怠った場合、退職金の全部または一部を支給せず、
または懲戒の対象とすることがある。
(なお、退職金の減額事由については、別に定める退職金規程においても明確に定
めておくことが必要です。)