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これまで、64歳までの定年制を設けていた企業は、65歳まで再雇用できる制度を設ける必要がありました。その際、大半の企業は出勤率や懲戒の有無など労使協定に定めた一定の基準を満たす従業員に限り、再雇用できる体制をとっています。
しかしながら、平成25年4月1日以降は、原則として希望する従業員全員を65歳まで再雇用できる制度に改めることが求められます。厚生年金の受給開始年齢がこれまでの60歳から段階的に65歳へと移行していくため、長く働くことができる体制を整える必要がある、との考えからです。
ただ、改正となる平成25年4月からガラリと変えてしまうのでは、企業にとっても雇用人数や給与総額などの負担が急増してしまいます。このため、過去の労使協定を生かしながら、かつ、61歳、62歳と段階的に65歳まで延長する方法(経過措置)が認められています。
これを機に従業員の年齢構成を再確認するとともに、昇給幅を含めた給与水準のあり方を再検討することが求められます。
平成25年4月1日から労働契約法が改正され、これまで期間を定めて雇用されていた従業員(有期労働契約)が企業に申し込んだ場合、期間の定めのない労働契約(無期労働契約)に転換できることになります。
パート、アルバイト、契約社員、嘱託社員など、職場での呼び方にかかわらず、6か月や1年といった具合に期間を定めて雇用している方々のすべてが対象になります。
ただし、申し込みができる時期は、「有期労働契約が反復更新されて通算5年を超えたとき」です。この有期労働契約も法改正日以降に締結されたものが対象となるため、5年を超えるのは平成30年4月1日以降になり、仮に1年更新となっている従業員が無期労働契約を申し込んだとしても、その時点の契約満了後から無期労働契約に転換となるため、平成31年4月1日から無期労働契約になります。
なお、あくまでも有期契約から無期契約へと促すものであり、正社員にしなければならないというものではありません。
これまで、労働者数100人以下の企業については一部の制度の適用が猶予されていた「改正育児・介護休業法」が、平成24年7月1日から全面施行されました。これにより、企業規模を問わず全企業が同法に定められた内容を遵守する必要があります。
例えば、○3歳までの子を持つ従業員を対象として、1日6時間勤務を基本とする短時間勤務制度を設けること、○同じく3歳までの子を持つ従業員が請求した場合、残業を免除する制度を設けること、などです。
仕事と家庭の両立をより促すための法改正でもあり、従業員が少数の企業も育児・介護休業規程の見直しが必要になります。
■育児・介護休業法の改正について
現在の経済情勢を反映して少しずつ要件の緩和が繰り返されている中小企業緊急雇用安定助成金の支給率がアップしました。これまで、休業手当の80%としていた上限を90%にし、より受給金額が多くなる会社が増える可能性が高まりました。あまり給与水準が高くない会社にとっては活用する価値が高まったといえます。また、平成24年8月からは、1日あたりの上限額が7,870円になりました。
平成22年4月1日から雇用保険の制度が改正されたことに伴い、雇用保険に加入すべき対象者が拡充されました。週20時間以上働く短時間就労者(いわゆるパートタイマー)や派遣労働者を対象としたものです。これまで、「6ヵ月以上」の雇用見込みがあることとなっていた要件を「31日以上」に短縮し、雇用保険に入るべき要件を緩和しました。4月1日以降に対象者を雇い入れた場合はもちろん、4月1日より前から勤務している労働者も4月1日以降に基準を満たすようになった場合は、加入手続きを行う必要が生じます。
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